A1-3 :

(資本金について)

・新会社法では「最低資本金制度」が廃止されたので、1円から設立できます。資本とは資産と負債の差額である純資産のことをいいます。

 

・例えば1円で設立すると、その会社は設立時に1円の純資産を持っていることになります。仮に1円で会社をスタートすると会社には純資産が1円しかないので、結局代表者から借入れをしないことには会社運営が出来ないことになってしまいます。結局1円で起業出来ても、その後の事業展開は困難なものとなります。

 

・金融機関へ融資申込みをするにしても、1円起業の会社では事業の安定度から判断されて融資は現実的に無理でしょう。お勧めは、設立後の事業計画に見合った必要な資金を賄えるだけの資本金で会社設立をするのが良いと思います。

 

・また、許認可を必要とする場合、一般派遣業のように、純資産1,000万円、現金預金800万円以上が許認可の要件になっているものもあるので要注意です。従って、会社設立後すぐに一般派遣業の許認可を受けようとする場合、資本金を1,000万円以上で設立することが必要です。

 

(資本金額と税金の取り扱いについて)

資本金: 資本金が 1,000万円未満  → 設立1期と2期において消費税が免税

        〃    1,000万円超   → 法人住民税の均等割額が増加

        〃      1億円超   → 法人税や地方税の税率が高くなる

                          交際費が法人の損金にならない

                          税務調査が国税局の管轄となる

(株主について)

・大きな資本金額を集めるには広く第3者からの出資を募るという選択肢がありますが、出資者は株主であるわけですから、原則として株主としての議決権を持っています。場合によっては、役員の改選や解任に関する権利も行使することが可能です。従って、このように直接事業に関与する権限を、株主は持っていることを充分認識した上で、第3者からの出資を仰ぐことが必要です。

(株主と税金の取り扱いについて)

・業務主宰役員とその関連グループが90%以上の株式を保有

→ 特殊支配同族会社に該当して 他の条件を満たすと業務主宰役員にかかる給与の一部が損金に算入されない。 ※ この制度はなかなか理解が困難な部分があるのでここでの詳細説明は省略します。

・その他同族会社としての税制上の制約など株主構成が税金面で影響することが多々ありますので要注意です。

(まとめポイント)

とにかく資本金、株主構成は、後々の税金面での有利不利が出てきますので設立前に、専門家等に充分ご相談、ご確認の上、設立されることをお勧めします。